「正義」が衝突する現場のリアル
仕事をする中で、何が一番疲れるか。それは、「自分の正義を絶対だと思う人」と一緒に働くことだ。
彼らは自分の考えが常に正しく、それ以外の意見を否定する傾向がある。そして、指導やフィードバックを受けると、それを「自分の否定」と捉えてしまう。
仕事というのは、いろんな人の考えや意見を持ち寄り、それを擦り合わせて一つの形にしていくプロセスだ。自分の主張を一方的に押し通せるものではないし、他人を否定することで成立するものでもない。むしろ、他人の意見を尊重し、それを受け入れる姿勢がなければ、成長も成果も遠のいてしまう。
指導を「否定」と捉える人の問題点
フィードバックや指導は、本人の成長を願って行うものだ。しかし、それを「自分の否定」と感じる人にとっては、ただの攻撃に映る。
このタイプと仕事をすると、フィードバックを攻撃と捉えて、反撃のような行動を取ってくる。そうなってくると、こちらのリソースやエネルギーも奪われる。最終的に疲弊するのは、一緒に働く側だ。
組織の中でこのようなタイプが一人でもいると、雰囲気が悪化するリスクがある。リスペクトや感謝の欠如は、チーム全体を腐らせる原因になりかねない。
お客様とのやり取りでも同じ姿勢が大事
仕事相手がお客様の場合でも、「自分の正義」を押し通すタイプでは通用しない。
私は「お客様が神様」という言葉には賛成しないが、それでもお客様の意見や要望を真摯に聞こうとする姿勢は非常に重要だ。自分の考えを押し付けるのではなく、「どうしたらお客様にとって最善か」を常に考える必要がある。
避けるべき人間関係とは
もし、周囲に「自分の正義が絶対」と思い込み、争いを好むような人がいるなら、その人とは極力関わらない方がいい。こうした人に巻き込まれると、こちらが疲れてしまうだけだ。
一緒に働く上で大切なのは、リスペクトと感謝の心だ。それが欠けている人が一人でも組織にいると、そこから腐敗が始まる。そうならないよう、周りの人を慎重に選び、チームの雰囲気を守ることが経営者としての重要な責務だと感じている。
まとめ
仕事は「個の主張」ではなく「調和」の場。
正義感は時に重要だが、それが「絶対の正義」になった瞬間、協調性を失い、組織の力を弱める要因になりかねない。だからこそ、相手を尊重し、感謝の気持ちを持ちながら、お互いに意見をすり合わせていく努力を怠ってはいけない。
組織は人でできている。一人ひとりの姿勢や考え方が、全体の雰囲気や成果を大きく左右する。その事実を改めて肝に銘じたい。