年々注目される採用ブランディング 

年々注目される採用ブランディング 

最終更新日:2024/11/05

就職活動も本格的に始まるというタイミングと“売り手市場”というトレンドの中で、 

『採用ブランディング』いうテーマが非常に関心を集めていることを実感しています。 

書店の棚にはブランディングに関する書籍が増え、関連するワークショップやセミナーの開催も目立ちます。 

採用環境では、デジタル化が進んだことで求職者との接触点も急速に変わってきており、従来の採用手法だけでは十分な成果を上げることが難しくなっています。この問題に対処する方法の一つとして“採用ブランディング”が重要視されています。 

しかしながら、採用ブランディングの重要性を理解している人事や採用担当者であっても、 

具体的にどのように取り組んでいけば良いのか分からないという声も少なくありません。 

本稿では、採用ブランディングの利点と実践手順を解説し、成功事例を交えて詳しくご紹介したいと思います。 

採用ブランディングとは、企業が自社の魅力や文化、働く環境などを戦略的に伝えるマーケティング手法の一つです。 

具体的には、「〇〇といえば株式会社〇〇」といった形で、特定の製品やサービスのみならず、企業そのものの魅力を採用対象者に訴求し、認知させることを目指します。 

このように採用ブランディングを行う目的は、ただ企業が提供する働き方や環境を伝えることだけに留まらず、 

「企業の個性」や「文化」を強調することで、他社との差別化を図り、理想的な候補者を引き寄せることにあります。 

これにより、企業はより効果的にターゲットとする人材の採用を実現できるようになります。 

企業が採用ブランディングを行うことには、数多くのメリットがあります。例えば、「△△企業と言えば△△(特徴)」といった強力な採用イメージを持つ企業は、自社独自のブランドメッセージの発信やインターンシップの企画など、従来の大規模な就職サイトや合同企業説明会に頼らない独立した採用戦略を展開することが可能になってきます。 

採用ブランディング3つのメリット

応募者数の増加 

採用ブランディングによって、自社の独自性や強みが明確に伝わり、「△△企業といえば△△(強み)」というイメージが確立されることで、競合他社との差別化が可能になります。結果として、応募者数の増加が見込めます。 

また、多数の求職者を引きつけることで、質の高い人材の確保も期待できるのです。 

ミスマッチの減少 

企業のブランドイメージに共感する応募者が増えることで、採用時のミスマッチが減少します。 

これは、内定辞退率や新入社員の早期離職率の低下にも直結し、長期的な人材の安定確保につながってきます。 

求職者へアピールがしやすくなる 

採用ブランディングにより、企業イメージが明確になると、採用サイトやパンフレット、SNS運用、オウンドメディアなど、 

あらゆる採用ツールで一貫したメッセージを打ち出すことが容易になります。 

これにより、採用担当者はより効果的に企業をアピールできるようになります。

企業全体での取り組みが必要

採用ブランディングを成功させるためには、単に採用担当者だけの努力では不十分です。 

企業全体が一丸となってブランドイメージを構築し、伝えていくことが重要です。 

これには、社員全員が企業文化や価値観を理解し、それを外部に向けて発信することが含まれます。 

採用ブランディングの取り組み事例として、特定の企業が実施した採用向けのSNSライブなどが挙げられます。 

このようなアプローチは、企業の人間的な側面を強調し、求職者とのより深いつながりを築くのに役立ってきます。 

求められるのは戦略的なアプローチ 

採用ブランディングの成功には、戦略的なアプローチが必要です。 

以下にそのプロセスを簡潔に説明します。 

1. 競合分析と自社の強みの整理 

自社と競合他社を分析し、自社独自の強みや魅力を明確にすることが必要となります。 

具体的な方法としては、3C(Company, Competitors, Customers)分析やSWOT(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats)分析を通じて、 

業界内での自社の位置づけや競合との差別化ポイントを特定します。 

2. ターゲット人材の明確化 

どのような人財を引き寄せたいのか、具体的なターゲット像を定義していきます。 

この定義はターゲット層に刺さるコンテンツ・コンセプトを設計する上で必須となります。 

市場分析や内部ニーズの検討を基に、「今後自社にとって必要な人材」や「企業文化にフィットする人物像」を詳細に設定します。 

3. 採用コンセプトの設計 

自社の強みやターゲット像を踏まえた、魅力的な採用コンセプトを策定していきます。 

分析結果を基に、ターゲットに訴求するコンセプトワードやメッセージを考えていきます。これがブランドイメージを形成する基盤となります。 

4. ブランド浸透のためのツール制作 

策定した採用コンセプトを具体化し、ブランドイメージを浸透させるためのツールを開発していきます。 

採用コンセプトに沿ったキーワードやメッセージを用いて、リクルートサイト、パンフレット、SNSキャンペーン、イベント企画など、 

多岐にわたる採用ツールを制作します。 

このプロセスを通じて、自社の魅力を明確に伝え、ターゲットに対してブランドメッセージを強力に訴求することができます。 

重要なのは、この取り組みを一貫して、かつ企業全体で推進していくことです。 

そうすることで、採用ブランディングの取り組みは最大の効果を発揮し、企業にとって理想的な人財を引き寄せることが可能となります。 

非金属企業のインタビュー風景

実際の事例 

今回採用ブランディングの成功例として、弊社クライアントの非鉄金属企業の事例をご紹介します。 

こちらのクライアントでは、学生や就職希望者の間での認知度が低いという課題に直面していました。 

採用ブランディング概要 

課題:非鉄金属業界とその製品に対する学生の認知度が低い。 

アプローチ:企業が製錬事業に留まらず、インフラ業で使われる機械材料の製造など、多岐にわたる事業を展開しているという点に焦点を当てました。 

統一コンセプト:「モノづくりから価値づくり」というテーマを採用し、採用メッセージとして「創るモノは時代」を掲げました。 

結果 

•応募者数:採用ブランディング戦略実施前と比較して、応募者数が前年比で40%増加。 

これにより、より広範囲から多様な才能を引き寄せることに成功。 

•内定承諾率:内定を出した候補者の内定承諾率が、戦略実施前の42%から86%へと大幅に向上。企業の魅力が正確に伝わり、候補者の企業への希望度が高まったことが示される。 

•新入社員の早期離職率:採用ブランディングのクリアなメッセージングと企業文化への 

マッチング改善により、新入社員の早期離職率が5%から2%へと減少。 

企業と新入社員のミスマッチが減り、より長期間にわたる人材確保が可能に。 

•社内満足度:採用ブランディングを通じた社内文化の明確化と強化により、社内アンケートに基づく社員満足度が20%向上。社員が企業のビジョンと文化をより深く理解し、誇りを持って働ける環境が形成された。 

これらの数値は、採用ブランディングが企業にとって単に外部のイメージを向上させるだけでなく、内部の結束力を高め、企業文化を強化する効果があることを示しています。戦略的なアプローチを通じて、企業は理想的な候補者を引き寄せるだけでなく、社内の人材流動性を改善し、長期的な成長と安定を促進することが可能となります。 

成功要因 

企業が目指す「将来像」を企業メッセージとして「新たな時代をつくる」と定義し、採用コンセプトである「君の成長が世界を動かす」にデザインとして落とし込みました。パンフレット、リクルートサイト、動画など、さまざまな採用ツールにおいて、コンセプトと関連要素を組み込んだ統一感のあるブランディングデザインにより、ターゲットとなる新卒学生に対して、積極的に挑戦していく企業イメージを効果的に伝えることができました。 

追加効果 

このような採用ブランディング戦略を採用することで、企業は自社の強みや魅力を再認識する機会を得ることができます。 

また、社内の結束力を高め、社員一人ひとりが企業のアンバサダーとして機能するようになる効果も期待できます。 

この事例は、採用ブランディングが単に外部に向けた戦略であるだけでなく、組織内部の文化や価値観を再確認し、強化するための有効なツールとしても機能することを示しています。 

企業が採用ブランディングを成功させるためには、明確なコンセプトの下で統一されたメッセージを発信し、企業の魅力を多角的に伝えることが重要です。 

このプロセスを通じて、企業は理想の人財を引き寄せ、長期的な成長を実現するための基盤を築くことができます。 

まとめ

採用ブランディングは、企業が自らの魅力や文化を戦略的に伝えることで理想とする人財を引き寄せ、競合との差別化を図る重要な手法となります。このプロセスには、競合分析、ターゲットの明確化、魅力的な採用コンセプトの策定、そしてブランドメッセージを浸透させるためのツール制作が含まれます。今回の事例からは、企業全体での統一された取り組みと、社員一人ひとりの参画が成功の鍵であることが明らかになったと思います。採用ブランディングは、外部向けのマーケティング戦略であると同時に、内部文化の強化にもつながってくるため、企業が長期的な成長を実現するための基盤を築く上で不可欠なものです。 

Galaxiaでは、インナーブランディングにもつなげることのできる戦略を得意とします。 

ぜひ、現在採用ブランディングに興味がある、採用に関する相談事があるという方は 

お問い合わせください。まずは、弊社でできることなどをお話しさせていただきます。 

解決のヒントとなるお話ができる自信があります。お待ちしております。 

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この記事を書いた人
上杉勇熙(うえすぎ ゆうき)
上杉勇熙(うえすぎ ゆうき)

株式会社Galaxiaの代表取締役。明治大学卒業後、生命保険会社に入社し、営業の最前線で活躍。豊富な営業経験と卓越したマネジメントスキルを活かし、Webマーケティング事業で起業。SEOやコンテンツ戦略において高い専門性を持ち、クライアントのデジタルプレゼンスを飛躍的に向上させることに情熱を注いでいる。

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